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障害年金申請 不支給や却下の決定 原因は?



障害年金の手続きには、多くの時間と労力を必要とすることがほとんどです。

苦労して多くの書類を揃えて申請したにも関わらず不支給や却下の結果が届くと、それだけで心が折れてしまう方もいます。

また、それにより症状が悪化してしまう方もいます。

そのような望まない結果が届いた時こそ、冷静に今後のことを考えてほしいと思います。

日本年金機構から届く不支給決定や却下の通知は、その詳細な理由が書かれていません。

しかも、一般の方にはわかりにくい専門用語で表現されており、具体的でもありません。

当事務所においても、ご自身で支給申請を行ったが不支給決定となり、ご相談に来られる方が少なくありません。

しかし、支給決定になった原因や理由によっては、再度請求を行った結果、年金受給に至ったケースもあります。

では、どうするかを見ていきましょう。

目次

年金決定通知・不支給決定通知・却下通知とは

まず、それぞれの通知はどういう意味を持つのか、みていきましょう。

〇年金決定通知
「年金決定通知」は、障害年金が支給される場合に来る通知です。この通知が来れば、年金が支給されることは確実です。
年金通知を受け取ったら、支給開始月と年金支給額の根拠などを確認します。また、障害等級や次回の診断書提出年月日等、重要な情報が記載されていますので、それらの内容についても確認する必要があります。
思っていた等級よりも低いと考えて、審査請求を行うことも可能です。

〇不支給決定通知
「不支給決定通知」は、障害の程度が法律で定める程度に該当いていない場合、(障害基礎年金を請求したときは2級以上、障害厚生年金を請求したときは3級以上に該当していない場合)に送られてくるものです。
この通知が届いたら、不支給決定をやむを得ないものとして受け入れるのか、それとも決定を不服として審査請求をするのか、早急に決めなければなりません。
審査請求は、通知を受け取ってから3か月以内に行わなければなりませんが、なぜ不支給となったのか原因を究明し、その原因を解決したうえで行わなければ、また不支給の通知が来るだけとなってしまいます。
対策を講じるための時間も考えると、意思決定を速やかにすることが必要です。

〇却下通知
「却下通知」は、例えば「初診日が確定できない」「保険料納付要件が満たされていない」等、障害年金を請求する要件が整っていない場合に送られてくるものです。
この場合も、審査請求は通知を受け取ってから3か月以内に行わなければなりませんので、「却下」を受け入れるか否かを早急に決める必要があります。

不支給決定⁉却下⁉ 何が原因?

不支給や却下になりやすい代表的なケースには、次のようなものがあります。
・初診日の医療機関のカルテの保存がない。客観的な証拠書類(診察券、領収書、お薬手帳など)が何も残っていない。
・診断書の状態が認定基準を満たしていない。

しかし、チャンスは残されています。
決定結果に不満が圧場合、審査請求、再審査請求という「不服申立制度」があります。
請求に使用した診断書、病歴・就労状況等申立書など、書類一式があればスムーズに行えるでしょう。
そのためにも、申請を行うときには、提出前に必ず申請書類のコピーを取り、手元に残しておくことが重要です。
手元にコピーがない場合は、書類を提出した市町村役場や年金事務所に問い合わせて、日本年金機構から取り寄せることができます。大事な手続きなので、しっかり準備しましょう。

不服があれば審査請求

不支給と却下の違いは前述しましたが、まずはどちらなのか確認し、結果に不服がある場合は、通知を受け取った日の翌日から数えて3か月以内に審査請求を行うことができます。

審査請求に必要となる審査請求書は、障害年金の申請書類を提出した年金事務所に連絡すると郵送してくれます。
審査請求書には、なぜ不服申し立てをするのか、その理由はなんであるかを記入します。
審査請求には、通常4~6か月程度かかることが多いようです。社会保険審査官が再審査を行った結果が決定書として届きます。その結果も不服とする場合は、「再審査請求」を行うことができます。決定書が届いた翌日から2か月以内に、再審査請求を行うための再審査請求書を社会保険審査会へ提出します。

審査請求の流れは下記のサイトをご参照ください。

認定基準に焦点を合わせる

ご自身で障害年金の申請を行い、不支給決定を受けた方から相談を受け、書類を見せていただくと次のようなことを書かれている方が多くいます。

・今まで保険料を払ってきたので認めてほしい
・生活にとても困っていて、お金が必要である
・将来がとても不安
・障害があるのだから、何とかしてほしい

これらは実際にそうであったとしても、認定基準とは「無関係」です。このような訴えを並べても結果が覆ることは、まずありません。
重要なのは認定基準に照らし合わせて病状が具体的にどうであるのか、根拠を持って明確に主張することです。
厳しいようですが感情論をいくら書いても、審査にプラスになることはありません。
そのためには、障害の重さから生活における支障が大きく、働くことができない、あるいは配慮が必要である状態なのに、障害認定がされないのはなぜかという理由を探る必要があります。
申請に使用した診断書を何度も見直し、不支給となった原因を探し出しましょう。

結果を受け取ってから3か月過ぎてしまったら?

不支給決定や却下から3か月が経過すると、審査請求をすることができません。当事務所でも、不支給決定から年数を経て相談に来られる方がいます。最初の請求時には、障害の状態が軽く不支給となっても、その後症状が悪化すれば再度「支給申請」を行うことはできます。

そこで重要になってくるのは「障害の状態が軽度に判断されないようにすること」です。不支給となる理由のほとんどが「診断書に記載された内容」だからです。診断書の内容が実態に合っていなければ、また症状を軽く判断されてしい不支給となる恐れがあります。そのために、診断書をお願いする医師には、自分の状態をしっかり伝えることが重要です。

障害の状態を的確に診断書に反映してもらうために

障害の状態を的確に診断書に反映してもらうためには、工夫も必要です。

受診時に病状について医師に聞かれると、「おかげさまで、少し良くなったような気がします」とか、仮に悪化していても「変わりありません」など、医師のおかげで治療が上手くいっているようなことを言ってしまいがちです。しかしこれでは、医師も病状をうまく把握することはできません。言いにくいこともあるかもしれませんが、適切な治療のためにも、自身の病状については正直に本当のことを伝えるようにしましょう。
もし、言いにくかったりうまく伝えることができないと感じるようであれば、前回受診時からの病状をメモしておいて、受診時にメモを見ながら説明する、あるいは医師にそのメモを渡すなどすれば、もれなく病状を伝えることができるでしょう。

まとめ

障害年金を申請して、不支給決定や却下となっても、「審査制度」という救済制度があります。
不支給になった場合は、理由や原因を確認することが重要です。難しいと感じたら、専門家である社会保険労務士にご相談ください。

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